月別アーカイブ: 2015年10月

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.15

6日目 その3

さて続いては室戸を拠点に活動している3ピースインストバンド「PISTOL JAZZ」の瀬戸君のところへ。
なかなか濃いメンツが続きます。

 

pistol

 

瀬戸君率いる「PISTOL JAZZ」は地元の幼なじみ3人で結成し、地元を中心にライブ活動しネット配信等によりポルトガル、ベルギー、ブラジル等海外のラジオ局に紹介され評価されてます。

独自のやり方が興味深く彼も無類のバイク好きと言う事もあり、今回是非会って話したかったのです。

上の写真は四国八十八カ所最御崎寺の本堂で行われたなんとも罰当たりなライブです(笑)このライブは見たかったなぁ。

 

瀬戸君です。

瀬戸君は漫画「美味しんぼ」の高知編で海原雄山に地元料理の説明をする役でも
登場しています。

 


 

音楽の事からはじまりバイクの事、地元の事と話は尽きず、直接は初めて会ったのですが地元に帰って来て旧知の友と久しぶりに話してる錯覚に。

本当は一杯やりながらじっくり話したかったのですが、今日はこのあと瀬戸君の地元佐喜浜町で音楽フェスがあり出演するため手短に。

一時帰宅後、お誘いいただいたので小さな町の小さな音楽フェスを見に行く事に。

 

 

会場は佐喜浜幼稚園跡地。

 

 

 

 

なんとも風情のある建物。
近くに友達の家があるのだけどここに来るのは初めて。

 

 

 

老若男女が集い独特の雰囲気を醸し出しています。

 

 

 

 

教室をステージに。

 

 

 

坂口恭平とか七尾旅人あたり呼んでやったらハマりそうだなぁ。

 

 

 

 

 

お手伝いのおばちゃん達。もといお姉様方。いい笑顔。

 

 

 

 

インドネシアからの短期留学生。

何故か東京にいる時より英語を話す機会が多い(笑)

 

 

子供達も楽しそう。

 

留学生と卓球で戯れる漁師のじいさま。

 

正直なんの期待もせず今年はお祭りにも行ってないのでそんな雰囲気がちょっと味わえればなぁぐらいで来たのだけどなんだここは。
昔見た岩井俊二だか誰かの映画のワンシーンに紛れ込んだような気持ちにさせられる。ほんと良いフェスでした。

主催の民宿徳増の徳増君にも挨拶しようと思ったのだけど既にデロンデロンの状態だったので(笑)それはまた今度に。多分がんばった分飲み過ぎちゃったんだろうなぁ。

すぐ前にはいい感じにヤレた神社とちいさな港。
ミュージシャンを目指し挫折するコテコテの青春ものでもいいし、「共喰い」みたいなドロドロのでもいいだろうけどここで一本映画撮れるね。
誰かやらないかな。

瀬戸君を中心に若者が集まって音楽で地元を盛り上げようという動きがあり、
室戸の老舗のバー「進出」でも「進出JAM」という定期イベントを開催しにわかに
室戸の音楽シーンも盛上がって来てる感じです。今後が楽しみだなぁ。

次の帰省では瀬戸君と若者達と飲もうと約束をしときました。

瀬戸君ありがとうございました! いい時間が過ごせました。
そしてこのタイミングでPISTOL JAZZがインディーズレーベル「ウルトラヴァイブ」からのオファーによりCDが全国発売される事になりました!

 

自主制作で発売っていうのじゃないとこがいいね。

若者にも良い刺激になったでしょうね。

みんな買ってね!

さて残り半日です。

 

 

 

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.14

6日目 その2

 

続いては土佐備長炭窯元「炭玄」さんにお邪魔しました。

 

 

 

 

ここには最近帰省する度にお邪魔と言うより単に邪魔しに来てます。

最初はSNSで室戸で勇ましい若者達がなんか面白そうな事やってるなぁと知り、
直接アポを取って是非窯を見学させてもらいたいとお願いしたのですが、全く面識の無かった僕をとても気持ちよく迎え入れてくれたのでした。

 

 

 

代表の黒岩君です。

 

 

 

ここ室戸市吉良川町は昔から備長炭の一大生産地として名を馳せてましたが
炭の需要の減少や中国産の台頭により窯も相当数減少してしまいました。
残ってる生産者も高齢化し消滅を待つばかりだったようです。

また高知県全般に言えることですが(と言うより全国地方全般かもしれませんが)
地元に居たくても仕事が無いという問題を抱えています。

特に高知出身者は高知が大好きな人が多いのですが、ほとんどの人から「帰っても仕事がないきねぇ」という言葉が出て来ます。

黒岩君は仕事が無いなら自分で作ろうと模索してる際、中国産の炭の輸出入に規制がかかった事を知り、国産の炭の需要が増えてくるだろうと一念発起し今まで全く縁の無かった炭窯に飛び込みで弟子入りしたそうです。

見るからにわかりますが(笑)体力には相当の自信のあった黒岩君も想像以上の
過酷さに当初はかなりしんどい思いをしたそうです。

当時は「なんで今更炭焼きや?」と言われたらしいですが、先見の明があったのでしょう国内産の需要は増え修行後独立した黒岩君のところには県内外から複数の弟子が入り独立をし、窯の数も増えて来ています。

うちの店の近所で働いていたという人もいてびっくりしました。

昨日訪問した近藤君も炭玄から巣立ちました。

 

 

炭を使った新しい商品の開発にも余念が無く、地域イベントにも積極的に参加して
炭作りだけでなく雇用を増やし地域の活性化にも尽力する黒岩君は室戸だけではなく高知県内でもなかなかの有名人となっています。

 

 

 

 

 

こちらは先日発売された備長炭入り塩です。
炭はデトックス効果があると言われてますので身体に良さそうです。
白い皿に散らして飾り塩として使うのも面白そうですね。

 

 

 

 

 

 

この窯で原料であるウバメガシを炭化させます。

 

 

 

 

 

火の炊き方で出来映えが違ってくるので経験がモノを言う職人仕事ですね。

 

 

 

 

 

窯の上部は亀の甲羅のようなドーム型になっており、この形状で熱の対流が変わってくるので窯作りも経験値がモノを言う重要な仕事ですね。
豪快かつ繊細な作業です。

 

 

 

 

上2枚の写真は今年の正月に初窯出しを体験させてもらった時のですが、冬でももの凄い熱量なので真夏は相当しんどいでしょうね。

 

室戸は備長炭の原料であるウバメガシが群生している地域ではありますが
当然限りある資源ですので炭玄は循環型を目指し植林等次世代にも繋げる
活動や間伐材を利用した商品にも着手しています。

山は手を入れないと死んでしまいますからね。

今後も炭玄の活躍には目が離せませんね。

 

備長炭は紀州、土佐、日向と3大有名産地がありますが
この数日後土佐備長炭が51年ぶりに生産量日本一に返り咲いたという
嬉しいニュースが飛び込んで来ました!

炭玄を筆頭に高知の炭窯には今後もがんばって欲しいですね。

安い炭と違って上質な備長炭で焼くと香りが違いますね。
是非「高知の日」でお試しください。

 

黒岩君また邪魔しに行きます。
次は杯を交わしながらゆっくり話したいですね。

 

その3に続く

 

 

 

 

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.13

6日目 その1

 

そろそろ肌寒くなって来ましたがもうちょっと「おとなつやすみ」です。

 

ずっと運転してた疲れがどっと出たのか自宅に戻って安心したのか昨夜は
帰って来るなり泥のようにと言うより泥となって寝ました。

とはいえ今日も6時起床で無理だろうなと予想しつつ波チェックに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄いことになってます。

 

ただ形は奇麗に入って来てるので遠目で見る分には素晴らしい波に
見えるのですが、こんなのに入ったら間違いなく死にます。。。

もちろんローカルも誰一人入ってませんね。

 

 

 

 

 

台風が直接来てる時はぐちゃぐちゃで波もこんなもんじゃないのですが
うねりだけ入って来てるので天気もいいし風も無いし奇麗で見飽きないですね。

 

 

 

しばらく見入ってましたがまだ朝7時。早朝に来れば作ってるとこが見れますよと言われていた創業77年老舗の「山本かまぼこ店」にお邪魔する事にしました。

地元では大人気ですが誰もかまぼこ店とは言いません。
大体山本のてんぷら屋って呼ばれてますね。
高知ではさつま揚げ的なものも「てんぷら」と言います。
海老とかイカのももちろん「天ぷら」です。

「高知の日」でも紹介してますが「かまぼこトーフ」人気ですね。
子供の頃から食べ慣れてるというのはもちろんあると承知してるのですが
高知県内外含め色々食べた中でやっぱり室戸の練り物がダントツ好きですね。

若干甘めに出来てるのですが、これはまだ室戸がマグロ漁が盛んなころマグロ漁船に積み込んで持って行く際に、当時は糖分を取れるものも少なかったので甘めが好まれた為とのこと。

 

 

いつも元気な3代目山本夫妻です。

 

 

 

ここは素材にこだわってるのはもちろんの事、いまでも手作りにこだわって熟練の職人さんが早朝からかまぼこを作ってます。

職人歴50年だか60年だか忘れたっていう職人さん。
佇まいが違いますね。

 

 



玉子入り大丸かまぼこ。

中にゆで玉子が2個入ってます。

これ地方の美味いものランキングみたいなテレビで1位になってましたね。

農林水産大臣賞も貰っている先代がかまぼこを作るというのでかぶりつきで見学。

 

 

 

 

 

まるでマシーンのようなスピーディーかつ正確な見事なコテ裁きに惚れ惚れしながら見入ってしまい「いや〜おもしろいですね〜」と言うと

「おもしろいやろ?けんどやりゆうほうがもっとおもしろいで!
ほんでようやめん。」と。

 

朝っぱらから深い強烈なお言葉をいただきました。

 

そんな職人気質満載の先代はモノクロのほうがしっくり来る気がします。

 

 

 

 

おんちゃん、なかなか渋う撮れちゅうやろ?

 

 

 

 

 

 

揚げたての熱々てんぷらをごちそうになりました。
これ食べたことある人はわかると思うけどたまりません。

 

 

 

息子さんの粘土細工。
飾ってあった絵も上手でした。
手先の器用なDNAはちゃんと受け継がれてるようです。
せっかくこんなに良いネタがあるので今年の冬は本気のおでんをやろうかな。
朝早くからお邪魔しました。久しぶりの揚げたててんぷら美味かったです。

近所なのでまた来ます。
その2に続きます。

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.12

5日目 その2

 

大岐の浜から四万十市、四万十町を経由して再び仁淀川を目指します。

 

途中M君がお土産を買うために「四万十ハマヤ」さんにより道。

 

 

 

 

 

ここは地方スーパーとして色々と面白い事をやっています。
鰹のオリーブオイル漬けや鰹のオリーブオイルパテは先日の
フーデックスジャパン2015で金賞、銀賞受賞してましたね。
フーデックスジャパンで試食させてもらいましたが美味しかったです。

お土産人気ランキングでも宗田だし醤油についで2位になってます。
今後も注目ですね。

 

今日も時間が無いので昼ご飯も食べずにひたすら仁淀川へ。

完全無農薬、不耕起栽培で生姜を作ってる「まんま自然農園」さんや
(高知の日でも紹介しましたがパンチのある生姜を作ってますね)
四万十ポークの飼育場、無農薬の葉にんにくの「アースエイド」さん等
訪問したかったのですがこちらも次回ですね・・

 

 

 

走りっぱなし4時間ほどで着きました。仁淀川。
悪天候が続いていたとはいえ仁淀ブルーの片鱗は見せています。

 

それにしてもこの辺りは山の傾斜に密集した家とかこういうジブリ映画に出て
きそうな雰囲気の建物が多いですね。

 

 

NHK新日本風土記の「仁淀川」の回を見てM君がどうしてもこの岩から
飛び込みたいと熱望してたのです。
「仁淀川」の回はかなり名作ですので再放送をチェックしてみてください。
沢渡茶の岸本君も主役級で登場しています(笑)

 

 

 

 

1番高いところで5mぐらいでしょうか。

 

 

 

 

海ではよく遊びますが川で遊ぶのは相当久しぶりです。

 

 

 

 

 

 

浅瀬とはいえなかなかの透明度です。
写真奥のほうで泳いでるのは稚鮎っぽかったです。

下から見るとそうでもないのですが岩の高さ5m強プラス自分の身長に
なるので上からだと結構恐怖感があります。
波乗りでも岸からみてるぶんには大したことない波も入ってみると
思ってた以上にデカかったってことは良くある事です。
基本高いところは得意ではないのですがせっかく来たからにはやらないと。

 

子供の頃にも岩場から飛び降りたり、危険なところを渡ったり。
それが子供にとってのイニシエーションだったことを思い出しました。

飛び降りれるやつ、降りれないやつで区別されちゃうんですね。

 

 

まずはM君のダイブです。

 

躊躇する気持ちわかります(笑)
これ3〜4回目のチャレンジですけど躊躇しちゃうんですよ。

 

僕のおとなのイニシエーション。
何に対する儀式なのかはわかりませんがポイントは岩より更に上に
ジャンプしてるところです。
iPhoneのスローで撮ったのでちょっと長いです。。

 

 

楽しくて5〜6回飛び込みました(笑)

 

 

一大イベントも無事終わったので満足して空港に向かいます。

高知の名士シリーズ肝心の坂本龍馬を見に桂浜にも行く予定でしたが
飛行機の時間が微妙だったので中止。
M君はまた今度龍馬を見に来るそうです。

 

 

さようなら。

 

 

 

 

 

 

お疲れさまでした。

これで明日からの天気は心配しなくて良さそうです。

 

 

空港のある南国市近辺は「土佐ジロー」を飼育してる島崎さんや、
ゆずたまの「ヤマサキ農場」、「ごめんシャモ研究会」等鶏系で
訪問したいとこがあったのですが、アポ無しでこの時間から訪ねるのは
さすがに失礼極まりないと思いまた次回に。
この辺は近いですし5年ほど生活してたので気軽に来れそうです。

 

今日は早朝からおとなつやすみらしく遊んでばかりだったのですが
安芸市にある土佐備長炭工房「 一 - ichi- 」の近藤くんのところにお邪魔しました。

 

 

室戸の「炭玄」で修行し、今年独立した近藤君。

元々養護学校の教諭をしていたのですが、卒業生にあまり就職先が無いらしく
そういう人にも雇用機会を増やしたいと炭の道に入ったのです。
素晴らしい動機ですね。

藤沢の「にこにこ農園」の井上さんも同じ経歴でがんばって農園をやっていますね。

剣士でもある近藤君は先日欧州遠征もして来たばかり。
かなりの使い手のようです。
しばらく留守にして窯をほったらかしにしてたので窯がかなり
機嫌をそこねてたらしいです(笑)

近藤君と沢渡茶の岸本君、以前お店に来てもらったことのある新谷商店の
新谷君の弟がなんと同級生!
世の中狭いですね〜高知が狭いのかな?

日暮れ時にお邪魔したのにも関わらず気持ちよく迎えてくれた近藤君。
独立したばかりでまだまだこれから大変な事は山積みだとは思いますが
益々がんばって欲しいです。応援してます。

もうちょっとゆっくり色々話たかった。よねぇ?(笑)

その前にまず自分ががんばれよ!と人に言われる前に自分に言い聞かせて
帰路に着きました。

22時ぐらいに久しぶり感のある室戸に到着。
足摺から室戸まで。長い長い5日目が終わりました。

 

 

 

高知広いなぁ。