日別アーカイブ: 2015年9月9日

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.6

3日目 その4

次の目的地は四国カルスト。

愛媛県との県境に位置するカルスト台地は日本ではないような
絶景が臨めます。

天狗高原(高知)、久万高原(愛媛)と四国では数少ないスキー場もあります。

高知と愛媛を行ったり来たりしながら要所要所で車がすれ違えない
道幅のくねくね道。楽しい。

道幅が狭いので対向車に気付いたほうが広めの場所で待機して道を
譲ったり、譲ってもらったり。
お互いお礼の合図をしてすれ違う。
已む無しとはいえ、そんな譲り合いの精神が和みます。

山道も飽きて来たなぁと思うころに四国カルスト到着。

が、


 

何も見えません。

 

道中かなり深い霧がかかっていたので予想はしてたものの、ちょっとは
見えるかなと淡い期待を持っていたのですが撃沈です。
時間的に夕暮れの四国カルストを期待してたのですが。。

 

 

晴れてる時はこんな感じです。

5月に帰省した友達の写真を拝借しました。

 

 

残念・・次回リベンジしなくては。

 

待ってても晴れそうな霧ではないので早々に諦めて梼原町に。

梼原町は環境モデル都市として、小水力発電、太陽光発電、風力発電等
CO2削減を目的としたプロジェクトを立ち上げがんばってる地域です。
途中、山の斜面を使った大規模な太陽光発電施設もありました。
町も整備され電柱も無いのでスッキリとしています。
まぁ都市では無いですけどね。

隈研吾設計の建築も4件あり、ここをゆっくり見たかったのですが
時間も押してるのでここから車で20分ほど山の中に入った今日の宿泊地
有機野菜の「農業生産法人(株)ロカヴォ」の高津さんを訪ねます。

 

この辺りから携帯の電波は全く繋がらなくなりました。

D社がかろうじて繋がるようです。
回りはそれなりに民家が多い地区ですが住民の方は不便でしょうね。

さすが繋がりやすさNo.1です。

 

元々は小学校であったであろう場所の体育館がロカヴォの事務所兼作業場になっています。

 

 

 

同じ敷地内に建てられた環境モデル住宅。LCCM住宅が今日の宿です。

宿は高津さんにお任せしてあったのですが、田舎の古民家的なとこに泊まるのかなと想像してただけに拍子抜けしていましました。

 

中も素敵な感じです。

内外装に町産材木をふんだんに使った木の家です。
電気は全て太陽光発電。クーラーは無いですがペレットストーブはあります。
比較的涼しい場所なので特に問題無さそうです。

ここはなんと一泊2000円ほどで泊まれます。1人でも10人でも2000円です。
貸し布団が1人1000円ぐらい。
2〜3泊したくなりますね。

 

無垢の大きな木のテーブルの上ではオーガニックハーブがお出迎え。
ローズマリー、セージ、ローリエですね。
部屋中に良い香りが漂ってます。

 

自炊出来るキッチンも立派なものです。
まわりにご飯屋さんも無さそうですし、もちろんコンビニも無いと思うので
自炊出来るのはいいですね。
ロカヴォの高津さんです。

 

 

梼原町には移住して来ている高津さんとは東京での催事で初めて会ったのですが、写真からもわかるように相当の偏屈親父です(笑)やる気無さそうにしてたので色々と話をしてるうちに偏屈者同士気が合ったのか、催事後に店に来てくれました。

酔っぱらって言いたい放題言って帰ったのですが、そのときに今度帰省したときには泊まりで遊びに来なさいと言われ、この旅のきっかけにもなったのでした。

有機農法の知識や経験が豊富な高津さんのところには国内だけではなく、フランスやデンマーク等の欧州からも多くの研修生が来ているそうです。

有機農法至上主義では無い私も高津さんには信頼を置いています。
(有機にも良いとこと悪いとこがありますからね)

千葉で農家をやっていた頃には石鍋シェフの依頼で日本で初めてハーブの栽培に
取り組んでいたとか。
フランスにも留学したことがあり料理に対する造詣も深いです。

 

ロカヴォの高津さん自ら手料理を振る舞っていただきました。

手伝いましょうか?と言ったのですがお客さんなので休んでなさいと。

 

ローズマリーと一緒にオーブンで焼いたジャガイモと自家製バジルペーストのジェノベーゼとトマトソースのパスタ。

この他にも有機飼料で育てた鶏の玉子で作ったオムレツや玄米のリゾット等4〜5品も作ってもらったのですが、、専属カメラマンのM君。食べるのに夢中で何も撮ってません・・頼むよM君!

 

カナダからのウーファーのマットとハリー。
(低音のスピーカーではないですよ)

 

イケメン風だがお腹ぽちゃぽちゃのマットはちょっとだけ日本語がわかり、
コリアン系カナダ人のハリーは全くしゃべれません。

2人とも日本の文化や映画になかなか詳しく、M君のお姉さんがカナダに移住しているのもあって話が盛り上がり楽しい時間を過ごせました。

今日は僕らが来たのでいつもよりご飯が豪華だと喜んでました。

マットとハリーも帰り、高津さんと酒を酌み交わしながらこの町の状況やら
高津さんの半生やらの話を深夜までして長い長い一日が終わりました。

 

 

 

 

 

 

「ぼくのおとなつやすみ。」~高知の人と食を巡る旅~ vol.5

3日目 その3

 

須崎を出てひたすら北上。
愛媛県との県境も近い仁淀川町を目指します。

日本一の清流仁淀川。
最後の清流として四万十川は全国的にも有名ですが実は
仁淀川のほうが水質日本一に何年も連続で選ばれています。
仁淀ブルーと呼ばれる水の色で近年少しづつ知名度も上がって来てますね。

途中、山道に入って来ても道幅も広く快適なドライブ。
曇ってるとはいえ仁淀ブルーの片鱗も見えて来ていい感じです。

この趣のある橋を渡ると沢渡地区です。
沢渡は奇麗なとこですよ〜と聞いてましたが確かに素晴らしい。

 

曇ってるのが残念ですが、それはそれで雰囲気があります。

写真右上の民家の更に上に位置する沢渡茶の茶農家岸本憲明君宅にお邪魔しました。

車一台分の車幅のガードレールの無い山道はなかなかのスリル。
山の斜面は下から見るよりかなりの急勾配です。
いかにも「谷」と呼ぶにふさわしいところですね。

せっかくなので山の上から撮ったきれいな写真を拝借。

良い写真ですね〜。
でも目視だとこれに近い感じです。

この辺りは高知県とは言え、冬場には雪に包まれる事もある地域。
秋冬にも来てみたいですね。
写真以上に奇麗に見えるときも多々あるのでしょう。

 

岸本君とは去年偶然室戸で会ったことがあり、今回2度目の対面。

そのときから来てみたかったのです。

 

 

岸本君は積極的に商品開発にも取り組み、異業種とのコラボ商品等興味深いものが
色々あります。

かつては高知県随一のお茶の生産量を誇った沢渡地区も近年過疎化が進み後継者不足から放棄茶園が増えて行く状況だったそうです。

その状況を見かねてなんとかしたい、この風景を、この地区を守りたいと祖父母の跡を継いで高知市内から移り住み、専業農家になったそうです。

詳しくは「沢渡茶」で岸本君のブログを見てください。

感動ものですよ。

 

商品の説明を聞きながらお茶とお菓子をごちそうになりました。

 

 

 

 

「みず出し緑茶」

お茶の香りが強く透き通った味です。

 

 

 

 

「香ル茶」

渋みが少ない紅茶。砂糖なしでも美味しく飲めます。
昔流行った「JAVA TEA」に近い感じ。

 

海外でも今日本の紅茶が注目され始めてるらしく、全国地紅茶サミットなるものも
毎年開催されてるようです。

CMでウーロン茶のことはやってますが、紅茶も同じく簡単に言うと発酵方法の違いで葉は同じなのです。

 

 

 

「沢渡の茶大福」

餡の中にも煎茶葉が入ってます。まぶしてあるのは抹茶では無く煎茶粉。
これいいです。特に煎茶粉が気に入りました。

粉にしたのもが抹茶って訳ではないのです。
抹茶は生育時に日光を制限し(そのほうが葉の甘み強くなる)煎茶はしないので
その分カテキンが多く含まれます。(抹茶のほうが手がかかり粉末にする方法も
違ったりするのですが)

この辺も興味がある方は調べてみてください。
今はすぐなんでも調べられるのでグルグル先生に丸投げです。

 

煎茶粉や香ル紅茶等購入させてもらい、ちょっと茶畑を見学させてもらいました。

 

 

 

キレイな茶葉ですね。

この環境で作られたお茶ならまず間違いないだろうなと納得してしまいました。

岸本君、お母さん。お忙しい中ありがとうございました!
ごちそうさまでした。またゆっくり遊びに来ます。
沢渡にかつての賑わいが戻る日も遠くないのかもしれませんね。

 

次は四国カルストを経由して今日の宿泊地、梼原に向かいます。

 

FM高知の矢野氏とはここでお別れ。

早朝から一日同行していただきありがとうございました!

朝早かったから眠いよね。わかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめん。この写真しかなかった・・

 

後日、この時の出会いが縁で岸本君が矢野氏の担当する放送に出演することが
決まりました。
この日の午前中も地元テレビの取材があり、今や様々なメディアに引っぱりだこの
岸本君なので遅かれ早かれ出演することになったとは思いますが、
あえてこの時の出会いが縁でと強く言っておきます。

さて日が暮れる前に梼原に着かなくては。

 

続く。